中国食文化取材旅行

1982.6-1983.3

石毛先生からのコメント ー旅行の目的と成果ー

雑誌『太陽』1983年1月号から12号まで連載された「好吃! 鉄の胃袋中国漫遊」という記事執筆のために中国各地を取材したときの写真である。このときは、編集者とカメラマンが同行し、雑誌にはカメラマンの撮影した写真が掲載された。

2度の取材で訪れたのは、上海、鎮江、揚州、南京、重慶、北京、済南、徳州、広州、珠海の都市とその近郊である。いずれの土地でも、一流レストランや名物の地方料理店での食事だけではなく、農民や一般民衆の家庭における日常的な食事も経験することにした。また、当時は自由市場といっていた市場での食材も取材するのが、原則であった。

取材当時、外国人は外貨兌換券という外国人専用の紙幣しか使用できず、一般の中国人の利用する町の食堂では、それを受けとってもらえなかった。また糧票リャンピャオという主食の食糧キップがなくては、飯や麺類、饅頭マントウなどの主穀物を使用した料理を注文することができなかった。そんな時期に、民衆の食べ物も撮影したので、いまになると中国民衆の食生活の変遷を知る資料となりそうな写真もふくまれている。まだ人民公社や国営企業の解体があまり進行せず、外国人の旅行にも制約のあった、改革開放政策の初期の時代における取材である。中国の食生活の変動期における記録である。

中国食文化取材旅行