発酵か腐敗かは文化的概念である

発酵とは有機物の分解と新しい物質の生成がなされることを指す。腐敗と同じ現象であるにも関わらず、発酵か腐敗かは人間の側の価値観で決まる。人にとって有益ならば発酵,不都合なものであれば腐敗とされる。16世紀後半、日本にやってきたポルトガル人宣教師ルイス・フロイスはその著書の中で、「われらにおいては、魚の腐敗した臓物は嫌悪すべきものとされる。日本人はそれを肴として用い、非常に喜ぶ」と塩辛について記している。魚介類の発酵食品を知らない文化に育った人にとっては、塩辛などの魚醤は「魚の腐ったもの」として食用に耐えない、腐敗したものとされることが多いのである。

発酵か腐敗かは文化的概念である