モンゴル族の住居『ゲル』

モンゴル族の住居はゲルと呼ばれる天幕です。ゲルの組み立ては、折り畳み式になっている格子壁を数枚円形に立て、その上に垂木をたてかけるようにします。頂点には天窓があり、その天窓から差し込む光の位置によって時を知るのです。ヒツジの毛で作ったフェルトで天窓、屋根、周囲、戸口などを部分ごとに覆って、家畜の毛で作ったロープで巻き付けます。解体や組み立てには1時間もかかりません。移動の際に便利なように、分解・組み立てが容易となっています。

ゲルの入り口はたいてい南東方向に向いています。これは強い北西風を避けるためといわれています。ゲルを入って右側、すなわち東側が女性の座で、台所用品などが壁につり下げられています。入って左側、すなわち西側は男性の座で、鞍などの馬具が置かれています。中央は火の位置で、家系を守る神が宿るとされ、奥の座には仏壇が置かれていたりします。

炊事用のゲルを持たない場合、乳製品の加工に用いる桶などは東側、すなわち女性の座のほうに置かれます。しかし、馬乳酒の入った容器だけは、上位とみなされている西側に置かれます。容器の位置ひとつにも、文化的な空間秩序が反映されています。


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モンゴル族の住居『ゲル』