現代日本における家庭と食卓-銘々膳からチャブ台へ-

刊行年月1991年12月
著者名『国立民族学博物館研究報告別冊』
刊行者名国立民族学博物館

場や物質としての食卓の変化に着目することで,日本における家庭の歴史を紐解こうとする学際的な観点から行われた「食卓をめぐる共同研究」の報告書。特にちゃぶ台の系譜と変遷に照準が合わされ,配膳法の変化や一家団欒のイデオロギーの受容実態を文献調査および聞き取り調査を通じて明らかにすること,いわば日本における食卓生活史を記述することが目指されている。共同研究者による9編の論文のほかに,家庭での食事風景の変遷を物語る聞き取り調査の記録,国立民族学博物館所蔵の332点の食卓や食膳資料のリストや写真,実測図が収録されている。

 

自選著作集での説明

家庭の食の営みは,台所と食卓を中心にくりひろげられる。料理の場である台所においては,食材と加工技術をめぐる食の物質的側面が展開される。食事の場である食卓の主役は家族であり,食卓における人びとのふるまいかたを規定するのは食の精神的側面である。本書は食卓から家族をみようとする試みである。人目にふれることの少ない学術書ではあるが,近代日本の家庭の食事を考察するさいの基本資料として活用されることを願うしだいである。