論集 酒と飲酒の文化

刊行年月1998年10月
著者名石毛直道
刊行者名(株)平凡社

酒造りと飲酒・酩酊に関する共同研究をまとめた論集。世界の主要な酒造法を類型化し,その分布および系譜的考察がなされる。また,各地の飲酒に関する慣習の民族誌的検討から,飲酒や酩酊に対する観念の比較文化的研究が行われている。特に東アジアに重点をおくことで,日本の酒造りと飲酒の文化的位置づけを明らかにしようという試みも行われている。

 

自選著作集での説明

1992~1994年度の3年間国立民族学博物館でわたしを研究代表者としておこなった共同研究「酒と飲酒の文化」をとりまとめたものである。酒に関する研究は,醸造技術や商品としての酒の醸造に関しては膨大な蓄積があるが,文化的研究および体系的に飲酒文化論を考察する試みはきわめてすくない。また,酩酊に関する社会的な評価の比較研究もなされていないようである。このような現状で,問題の所在を明らかにし,個々の研究者がさまざまな分野からの考察を加えることで多様な酒の世界についての認識をあらたにする機会となる共同研究は有効であった。しかし,研究代表者としてはそれらをまとめて収斂の方向性も提示しなければならないということでわたしが執筆したのが序論である「酒造と飲酒の文化」である。